目隠しフェンス|「高さ」を間違えると「牢獄」か「丸見え」になる
2025-12-25 14:43
目隠しフェンスは「家」ではなく「視線」を囲うものである。
「カーテンを開けて庭を眺めたい」「道路からの視線を遮りたい」。 そう思ってフェンスを設置しますが、高さを間違えて「全然隠れてない」と嘆く人や、逆に高くしすぎて「庭が真っ暗になった」と後悔する人が後を絶ちません。
結論:フェンスの高さは「180cm〜200cm」が黄金比。これより低いと通行人と目が合い、高いと日当たりが悪くなり「牢獄」になる。素材はメンテナンスフリーの「樹脂(人工木)」一択。アルミは安っぽく、天然木は腐る。
判断基準:誰の視線を遮るのか?
1. 高さの基準:GL(グラウンドレベル)を意識する
通行人の目線は約150〜160cmです。しかし、家の中(床高)は道路より高いことが多いです。
- 道路からの視線 :道路面から測って、フェンスの頂点が 180cm あれば、普通の身長の大人がジャンプしない限り、中を見ることはできません。
- 隣家からの視線 :隣の家のリビング窓が高い位置にある場合、フェンスで隠そうとすると3m近い壁が必要になり、現実的ではありません。この場合は「高木」を植えて視線を散らすのが正解です。
2. 隙間の幅:風通しと圧迫感
完全に塞ぐ(目地なし)と、台風の時に風圧をモロに受けて倒壊するリスクがあります。 1cm〜2cm の隙間を空けるのがベストです。これなら斜めから見ても中は見えにくく、風は通り抜けます。
3. 素材と色:明るさが命
- 色選び :暗い色(黒やダークブラウン)で囲うと、家の中が暗くなり、圧迫感が凄いです。「牢獄」になります。明るい色(ライトブラウンやホワイト、グレー)を選ぶと、光を反射して庭が明るく広く見えます。
- 素材 :アルミのフェンスは無機質で安っぽくなりがちです。木粉を混ぜた「樹脂フェンス(人工木)」なら、木の温かみがありつつ、腐らず、塗り替えも不要です。
典型的な失敗:初心者がハマる落とし穴
「基礎が弱い」
高さ2m近いフェンスは、風を受ける面積が広いため、強固な基礎が必要です。 安いブロック塀(しかも古いもの)の上に、金具で継ぎ足して建てると、強風でブロックごと倒壊して大事故になります。 必ず 独立基礎 (フェンス専用のコンクリートブロックを地中に埋める)で施工すべきです。
「DIYで安く済ませようとする」
ホームセンターで材料を買ってDIYしようとする人がいますが、フェンスの柱を垂直に立て、高さを揃えるのは、プロでも難しい作業です。 少しでもズレると、板を貼った時にガタガタになり、見るに耐えない仕上がりになります。ここはプロに任せるべき領域です。
最短の手順:後悔しないためのロードマップ
1. 現地シミュレーション
道路に家族を立たせ、家の中から「どこまで見えるか」を確認します。 メジャーを持って、「ここまで高さがあれば隠れる」というラインを実際に測って決めます。図面だけで決めると失敗します。
2. サンプル確認
樹脂フェンスのカットサンプルを取り寄せ、質感と色を確認します。 ネットの画像と実物は全然違います。特に「木目のリアルさ」は商品によって雲泥の差があります。
3. 基礎の確認
見積もりの際、「独立基礎」が含まれているか、それとも「既存ブロック利用」なのかを確認します。 「安くしますよ」と言ってブロック利用を提案されたら、強度計算ができているか厳しく問い詰めてください。
リンク集
グローベン(プラドフェンス)
樹脂フェンスの定番。質感が高く、カラーバリエーションも豊富。F&F(マイティウッド)
こちらも人気。リアルな木目が特徴。