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カーポート|「柱の位置」で後悔するな。リビングを暗黒にする屋根の罠

Mon Dec 22 2025 00:00:00 GMT+0000 (Coordinated Universal Time)

カーポート選びは 「柱の位置」 が9割。

結論:安易に「2本足(片側支持)」を選ぶと、台風で揺れ、ドアが開かなくなる。

愛車を雨や紫外線から守るカーポート。カタログの見た目だけで選ぶと、設置後に 「柱が邪魔でドアが開けにくい」「リビングが昼間でも真っ暗になった」 という深刻な生活被害が出ます。そして、近年増えている大型台風や想定外の積雪で、屋根が飛んだり潰れたりする事故も多発しています。カーポートは「強度の余裕」と「柱の配置」にお金をかけるべき設備です。

判断基準:干渉リスクと災害リスク

カーポートは一度設置すると、簡単には移動できません。

1. 柱の位置とドアの干渉

  • 片側支持(2本足) :コストが安く一般的ですが、柱がある側に車を寄せると、運転席(または助手席)のドアが柱に当たって降りられなくなります。かといって柱から離すと、反対側が雨に濡れます。
  • 両側支持(4本足) :安定感があり、台風にも強いですが、柱が4本あるので邪魔です。
  • 後方支持(背面支持) :柱が車の「後ろ」にあるタイプ(三協アルミ エアロシェードなど)。ドアの開閉や入出庫が劇的にスムーズになります。基礎が大きくなるため費用は倍増しますが、使い勝手は最強です。

2. リビングの日当たり問題(暗黒化)

南側のリビング掃き出し窓の前にカーポートを設置する場合、要注意です。

  • 熱線吸収ポリカーボネート:車内の温度上昇を防ぐ高性能な屋根材ですが、光を通しにくいため、リビングが薄暗くなります。
  • 採光タイプ:リビングの前だけ「クリアマット(すりガラス調)」などの光を通す素材にするか、そもそもリビングの窓にかからないように配置をずらす必要があります。

3. 災害強度(風と雪)

  • 耐風圧強度:台風の通り道になる地域なら、風速42m/s以上の強度が必要です。片側支持のカーポートは強風で大きく揺れ、最悪の場合、屋根が飛びます。サポート柱(着脱式)が必須です。
  • 耐積雪強度:雪国でなくても、数年に一度のドカ雪(20〜30cm)でカーポートが潰れる事例が後を絶ちません。地域の基準よりもワンランク上の強度を選んでおくのが「保険」になります。

落とし穴:初心者がハマる失敗パターン

1. 「高さ不足」

今の車(セダンなど)に合わせて「標準柱(高さ200cm程度)」を選んでしまい、将来ミニバンやSUVに買い替えた時、ルーフボックスやアンテナが屋根に当たって入らないパターン。「ロング柱(ハイルーフ柱)」にしておくのが鉄則です。

2. 「鳥のフン害」

電線の下や、大きな木の下にカーポートを設置すると、屋根が鳥のフンまみれになります。下から見上げるとフンのシルエットが丸見えで、非常に不快です。屋根材を不透明なもの(LIXIL カーポートSCなど)にするなどの対策が必要です。

3. 「隣地への落雪」

カーポートの屋根に積もった雪が、お隣の敷地にドサッと落ちてトラブルになるケース。屋根の勾配(傾き)の向きに注意が必要です。逆勾配(家側に傾いている)タイプもあります。

最短の手順:後悔しないためのロードマップ

  1. 敷地図に「柱」と「車のドア」を書き込む :車を停めた状態でドアを全開にした時、柱にぶつからないかシミュレーションしてください。
  2. 地域の「垂直積雪量」を確認する :市役所のHPなどで確認し、それに対応する強度(+余裕分)の商品を選んでください。
  3. リビングの前なら「LIXIL カーポートSC」は避けるか慎重に :デザイン最高で大人気のSCですが、屋根がアルミ(不透明)なので、窓の前に置くと部屋が真っ暗になります。

ページ内で扱う基礎情報(判断に必要な最小限)

主要メーカー・人気商品

  • YKK AP(エフルージュ):フラットなデザインでコスパが良い。
  • LIXIL(カーポートSC):屋根がアルミ製で、直射日光を完全に遮断。夏場、車内が暑くならない。見た目が圧倒的にスタイリッシュ。
  • 三協アルミ(ダブルフェース):側面支持で2台用を支えるダイナミックな構造。柱が片側だけなので使いやすい。

末尾:リンク集(出典+事例)

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