火災保険・地震保険|「言われるがまま」は搾取の入り口。水災は外すな
Tue Dec 23 2025 00:00:00 GMT+0000 (Coordinated Universal Time)
火災保険は「家」ではなく「生活再建」のためにある。
「火災」という名前ですが、実際には台風、竜巻、洪水、盗難、破損など、家のあらゆるトラブルに対応する万能保険です。しかし、近年は自然災害の激甚化により保険料の値上げが続いています。安易にプランを削ると、いざという時に「対象外です」と言われて泣きを見ます。
結論:不動産屋や銀行が提案してくる火災保険は、マージンが乗っていて割高なことが多い。必ず自分でネット損保などの相見積もりを取るべき。そして、ハザードマップが少しでも怪しいなら「水災補償」は絶対に外してはいけない。
家を買う時、手続きの山に埋もれて、火災保険は「言われるがまま」契約してしまいがちです。しかし、35年間払い続ける(更新し続ける)と、数百万円の差になります。そして何より、補償内容を理解していないことが最大のリスクです。
判断基準:ハザードマップと家財の価値
1. 水災補償の要否:ハザードマップを信じすぎるな
自治体のハザードマップを確認し、浸水想定区域に入っているか確認するのは基本です。しかし、昨今のゲリラ豪雨は想定を超えます。 「うちは高台だから大丈夫」と思っていても、土砂崩れのリスクがあるかもしれません。水災補償を外すと保険料は安くなりますが、もし床下浸水や土砂流入が起きれば、復旧には数百万〜1千万円かかります。生活再建が不可能になります。迷ったら「水災あり」にしておくのが安全策です。
2. 地震保険:国が関与する唯一の保険
地震保険は単独では入れず、火災保険とセットで加入します。 重要なのは 「どこの保険会社で入っても、補償内容と保険料は同じ」 (国が決めている)ということです。そして、 「建物の評価額の50%までしか出ない」 という限界を知っておくことです。 家が全壊しても、地震保険だけでは元通りの家は建ちません。あくまで「ローンの残債を整理し、当面の生活費を確保するため」のお金です。
3. 家財保険:過大評価を見直す
建物だけでなく、家の中にある家具・家電・衣服(家財)にも保険をかけます。 標準プランでは「家財1000万円」など過大な設定になっていることが多いです。冷静に考えて、服や家電を全て買い直すのにいくらかかるでしょうか?300万〜500万円程度に設定を下げることで、保険料を大きく節約できます。
典型的な失敗:初心者がハマる落とし穴
「破損・汚損」を外して後悔
「子供がテレビにおもちゃを投げて液晶を割った」「模様替え中に家具をぶつけて壁に穴を開けた」。こうした日常のうっかり事故を補償するのが「破損・汚損(不測かつ突発的な事故)」特約です。 これを外すと数千円安くなりますが、実は 最も利用頻度が高いオプション です。小さな子供やペットがいる家庭は、絶対につけておくべきです。数万円の修理費が免責(自己負担数千円など)で済みます。
「長期契約の廃止」
以前は35年一括払いができましたが、現在は最長5年です。5年ごとに契約更新が必要で、そのたびに保険料が上がっている可能性があります。 「一度入ったら終わり」ではなく、更新のたびに「不要な補償はないか」「新しい割引はないか」を見直す必要があります。
最短の手順:後悔しないためのロードマップ
1. ハザードマップ確認
国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」で、新居の住所を入力します。洪水、内水氾濫、土砂災害のリスクを重ね合わせて確認します。 色が塗られていないエリアでも、過去の浸水履歴がないか役所に聞くと確実です。
2. 一括見積もりで比較
「インズウェブ」や「価格.com」などで、複数の保険会社の見積もりを一括で取ります。 不動産屋の提携保険会社の見積もりと横並びで比較してください。「同じ補償内容でこんなに違うのか」と驚くはずです。
3. 汚損破損ありプランを選択
特に子育て世帯は、少し高くても「汚損破損あり」のプランを選びます。テレビやドアの修理で元が取れる可能性が高いです。
リンク集
国土交通省:ハザードマップポータルサイト
住所から災害リスクを一発検索できる必須サイト。損害保険料率算出機構
地震保険の仕組みや料率についての公式情報。