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外壁:ガルバリウム|「倉庫みたい」と言わせないためのセンスと知識

2025-12-25 14:43

ガルバリウムは「最強の外壁」だが「最強のデザイン」ではない。

「シンプルモダンでおしゃれな家にしたい」。そう考えると行き着くのが、金属サイディング「ガルバリウム鋼板」です。 軽量で地震に強く、ひび割れの心配もなく、スタイリッシュ。建築家が好んで使う素材です。 しかし、一歩間違えると「あれ?ここ倉庫?工場?」と言われてしまうリスクがあります。

結論:メンテナンス性(耐久性)とコストのバランスは最強。しかし、色と形状を間違えると「安っぽい倉庫」に見える。黒やネイビーの「縦張り」が無難でおしゃれだが、夏は熱を持つ。塩害地域では錆びるリスクがあるためNG。


判断基準:あなたは「金属の質感」を愛せるか?

1. デザイン性:倉庫感を消すテクニック

  • :シルバーやグレーは「トタン屋根」を連想させやすく、難易度が高いです。マットな黒(ブラック)やネイビー(紺)を選ぶと、引き締まってモダンに見えます。
  • 張り方 :波板(ナミナミしたもの)は工場に見えます。平らな板を縦に張る「縦張り(たてばり)」や、ビスが見えない「スパンドレル」などを選ぶと、スッキリして美しいです。
  • 異素材ミックス :全面ガルバリウムだと無機質すぎます。玄関周りや軒天(屋根の裏)に「木目(レッドシダーなど)」を使うことで、温かみが加わり、一気に住宅らしくなります。

2. 断熱と遮音:金属の弱点

金属は熱を伝えやすく、音を響かせます。 「金属板だけ」の安い製品を使うと、夏は家の中がサウナになり、雨の日は太鼓のように音が響きます。 必ず、裏側に断熱材(ウレタンフォームなど)が一体化された製品(アイジー工業のSF-ガルブライトなど)を選んでください。

3. メンテナンス:錆びとの戦い

ガルバリウムは「錆びに強い」ですが「錆びない」わけではありません。 特に、雨がかからない場所(軒下やベランダの下)には、空気中の塩分や埃が溜まり、そこから「白錆び」が発生します。 年に1回、ホースで水をかけて洗い流すだけで、寿命が大幅に伸びます。これをサボると錆びます。


典型的な失敗:初心者がハマる落とし穴

「電波障害」

家全体を金属で覆うため、「ファラデーケージ」効果で、携帯電話の電波が入りにくくなることがあります。 窓が少ない家や、基地局から遠い場所だと顕著です。Wi-Fi環境があれば問題ないですが、災害時などに困る可能性があります。

「傷と凹み」

金属なので、自転車を倒したり、子供がボールをぶつけたりすると、簡単に凹みます。 そして、凹むと直りません(張り替えになります)。車のボディと同じです。


最短の手順:後悔しないためのロードマップ

1. 実物確認

カタログの小さなチップサンプルではなく、実際に建っているモデルハウスや施工例を見て、遠目からの質感と、近くで見た時の継ぎ目を確認します。

2. 製品指定

「アイジー工業」や「ニチハ」の、 断熱材一体型の高耐久商品 を指名します。 安価な板金屋さんの手加工ガルバは、技術力に左右されるので避けた方が無難です。

3. 塩害地域の確認

海の近く(塩害地域)では、メーカー保証が出ないことがあります。 その場合は、ガルバリウムではなく「樹脂サイディング」や「塗り壁」を検討すべきです。


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