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ホームインスペクション|「新築だから大丈夫」はカモの思考。欠陥は新築にこそある

2025-12-25 13:45

ホームインスペクションは「家の健康診断」ではなく「施工ミスの摘発」である。

「大手ハウスメーカーだから安心」「新築だから検査済み」。そう信じたい気持ちはわかりますが、現場で家を作るのは人間です。 昨今の人手不足により、現場監督は複数の現場を掛け持ちし、全てをチェックできていません。また、職人の腕にもバラつきがあります。

結論:建売住宅や中古住宅を買うなら、契約前(または引き渡し前)に必ず第三者のインスペクター(建築士)を入れるべき。新築でも「断熱材の入れ忘れ」「床下の水浸し」「配管の繋ぎ忘れ」などの施工ミスは高確率で見つかる。10万円前後の費用で、数千万円の資産を守る保険。


判断基準:あなたは「床下のカビ」を見つけられるか?

1. タイミング:いつ入れるべきか?

  • 中古住宅契約前 がベストです。致命的な欠陥(シロアリ被害、雨漏り、家の傾き)が見つかれば、買わないという判断ができます。軽微な不具合なら、値引き交渉の材料にできます。
  • 新築建売契約後、引き渡し前の内覧会 に入れます。契約前に入れればベストですが、売れてしまうリスクがあるため、現実的には内覧会でのチェックになります。ここで指摘した不具合は、引き渡しまでに直してもらいます。

2. 業者の選定:紹介はNG

絶対にやってはいけないのが、「不動産屋やハウスメーカーが紹介するインスペクター」に頼むことです。 彼らは業者と癒着している(仕事を回してもらっている)可能性があるため、忖度して甘い検査をする恐れがあります。必ず 自分でネット検索して、利害関係のない第三者の建築士 に依頼してください。

3. 発見される不具合の現実

「新築でそんな欠陥があるわけない」と思うかもしれません。しかし、インスペクションを入れると、7〜8割の確率で何らかの指摘事項が出ます。

  • 断熱材 :天井裏の断熱材がめくれていたり、隙間だらけだったりする。
  • 基礎 :基礎コンクリートにひび割れ(クラック)がある。
  • 床下 :建築中の雨水が溜まってプール状態になっていたり、木材の切れ端が散乱してシロアリの餌になっていたりする。

典型的な失敗:初心者がハマる落とし穴

「目視のみ」の格安診断

安いコース(5万円以下など)だと、屋根裏や床下に入らず、点検口から懐中電灯で覗くだけの場合があります。 それでは肝心な構造部分や水漏れが見えません。オプション料金を払ってでも、 床下・屋根裏への進入調査 (ロボットや匍匐前進で行う)をつけるべきです。

「売主が嫌がる」

「インスペクションを入れたい」と言うと、売主や不動産屋が露骨に嫌な顔をしたり、「そんなことしなくても保証がありますよ」と言ってきたりすることがあります。 それは「見られたら困るものがある」か「面倒くさい」と思っている証拠です。自信がある物件なら拒否する理由はありません。拒否されたら、その物件は諦めた方が賢明です。


最短の手順:後悔しないためのロードマップ

1. 業者検索

「さくら事務所」などの大手や、個人の評判の良い建築士事務所を探します。ホームインスペクション 地域名で検索し、実績やブログ(指摘事例)を確認します。

2. 申し込みとスケジュール調整

物件の申し込みや契約の日取りが決まったら、すぐにインスペクターに連絡して予約を押さえます。土日は混み合うので早めの行動が必要です。 不動産屋には「専門家に見てもらって安心してから買いたい」と伝え、許可を取ります。

3. 報告書による修繕要求

診断が終わると、写真付きの詳細な報告書がもらえます。 これを不動産屋に突きつけ、「こことここを直してくれるなら、引き渡しを受けます」と交渉します。プロの報告書があれば、売主も言い逃れできません。


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