内窓・二重窓(インプラス等)|結露と騒音が消える「魔法の盾」と「2回開ける手間」
2025-12-25 14:13
内窓は 「最強のコスパ投資」 だが、 「窓を開けるのが嫌になる」 副作用がある。
結論:結露・寒さ・騒音に悩むなら即入れろ。ただし「換気」と「掃除」のストレスは2倍になる。
「家が寒い」「窓が結露でびしょ濡れ」「外の車の音がうるさい」…これらの悩みに対する現代の最適解は、間違いなく「内窓(二重窓)」です。壁を壊して断熱材を入れ直す大工事に比べ、圧倒的に安く、短期間(1窓1時間程度)で劇的な効果が得られます。しかし、窓が二重になるということは、 「鍵を2回開け、窓を2回開ける」 というアクションが必要になることを意味します。この地味なストレスを許容できるかどうかが、満足度の分かれ目です。
判断基準:劇的な効果と、物理的な面倒くささ
メリットとデメリットがこれほどはっきりしている建材も珍しいです。
1. 圧倒的なメリット(魔法レベル)
- 断熱性UP:既存のアルミサッシ(熱の穴)を、樹脂サッシ+空気層で塞ぎます。冬の窓際のヒンヤリ感(コールドドラフト)が消えます。
- 結露抑制:内窓の表面温度が下がりにくいため、結露が激減します(環境によってはゼロにはなりませんが、拭く頻度は劇的に減ります)。
- 防音性:気密性が高まるため、外の騒音が驚くほど聞こえなくなります。逆に、室内のピアノや子供の声も漏れにくくなります。
2. 地味に効いてくるデメリット
- 2アクション:窓を開けるのに「手前の鍵を開けて開く」→「奥の鍵を開けて開く」という動作が必要です。洗濯物を干すベランダや、頻繁に換気する窓に付けると、毎日のことなので結構イライラします。
- 掃除2倍:ガラス面が4枚、レールも2本になります。レールの掃除は特に面倒です。
- 部屋が狭くなる:窓枠の内側(室内側)に設置するため、窓枠に置いていた小物などが置けなくなります(ふかし枠を使うとさらに部屋側に出っ張ります)。
落とし穴:初心者がハマる失敗パターン
1. 「ふかし枠」でカーテンと干渉
内窓を設置するには、窓枠に「7cm程度」の奥行きが必要です。足りない場合は「ふかし枠(継ぎ足し枠)」を使いますが、これが部屋側に飛び出してくるため、既存のカーテンレールやブラインドと干渉して付けられなくなることがあります。
2. 「ガラス選び」で効果半減
内窓のガラスにも種類があります。
- 単板ガラス:安いが効果はそこそこ。
- ペアガラス(複層):標準的。断熱性が高い。
- Low-E複層ガラス:遮熱・断熱性がさらに高い。西日対策などに有効。
- 防音合わせガラス:防音目的の最強グレード。重い。 目的に合わせてガラスを選ばないと、「防音したかったのに普通のペアガラスを入れてしまった(高音は防げるが低音が抜ける)」といった失敗が起きます。
3. 「DIYで採寸ミス」
ネットで安くオーダーしてDIYで取り付ける人もいますが、採寸は 「ミリ単位」 の精度が命です。1mmでも大きいと入りませんし、小さいと隙間風が入って効果がなくなります。自信がないならプロに任せるべきです。
最短の手順:後悔しないためのロードマップ
- 窓枠の奥行きを定規で測る:7cm(メーカーにより異なる)あるか確認してください。足りなければ「ふかし枠」が必要になり、見た目と費用が変わります。
- 「先進的窓リノベ事業」などの補助金をチェックする :国が断熱リフォームに巨額の予算を投じており、タイミングが良ければ 「工事費の半額近く」 が戻ってくることがあります。これを使わない手はありません。
- 防音目的なら「大信工業(プラスト)」も検討する:LIXILやYKK APがメジャーですが、防音ガチ勢には「内窓プラスト」という、気密性に特化したプロ仕様の製品が推奨されます。見た目は武骨ですが効果は凄まじいです。
ページ内で扱う基礎情報(判断に必要な最小限)
主要メーカー・ブランド
- LIXIL(インプラス):知名度No.1。「ダストバリア」仕様で静電気によるホコリ付着を防ぐ。
- YKK AP(プラマードU):樹脂サッシのパイオニア。質実剛健な作り。
- 大信工業(内窓プラスト):知る人ぞ知る高性能内窓。防音性能は最強クラス。値段も高い。
末尾:リンク集(出典+事例)
1. 補助金・制度
- 環境省・経産省:先進的窓リノベ事業(その時の最新事業を確認せよ)
2. 効果検証・DIY
- YouTube:「内窓 防音 効果 検証」(音の違いを耳で確認)
- エクスショップ:内窓一覧(ネット見積もりの相場感を知る)