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パントリー(壁面収納)|「奥行き」がありすぎると、奥の食材は化石になる

2025-12-25 14:43

パントリーは「食品の墓場」になりやすい。

共働き世帯の増加とともに、「週末のまとめ買い」に対応できる大型パントリー(食品庫)の需要が高まっています。しかし、ただ広いだけの棚を作ると、そこは食材を保管する場所ではなく、食材を腐らせる場所になります。

原因は「奥行き」です。

結論:パントリーの棚の奥行きは 「30cm〜40cm」 が正解。それ以上深いと、奥に入れた缶詰やレトルト食品が見えなくなり、数年後に賞味期限切れの化石として発掘される。

収納において「大は小を兼ねる」は嘘です。特に食品は、賞味期限というタイムリミットがあるため、「何がどこにいくつあるか」が一目でわかる状態(視認性)が命です。

判断基準:あなたのパントリーは「在庫管理」ができる形状か?

1. 奥行きの浅さ

  • 浅い棚(30cm〜45cm) :これがベストです。A4サイズのファイルボックス、2Lペットボトル、ホットプレートなどがちょうど収まります。一列に並べることで、奥に物が隠れず、在庫管理が容易になります。
  • 深い棚(60cm以上) :冷蔵庫と同じ奥行きで揃えがちですが、手前に物を置くと奥が見えなくなります。奥のスペースを有効活用するには高価な「引き出し」をつける必要があり、コストがかかります。

2. 配置と動線

  • キッチンの横 :料理中に「あ、醤油がない」となった時、3歩以内で取りに行ける距離が理想です。
  • 玄関の近く :重い水、お米、ビールを買って帰った時、玄関からパントリーへ直行できる「買い物動線」があると非常に便利です。

3. コンセント計画

パントリーは単なる収納ではなく、家電の基地としても使えます。

  • 調理家電 :ホームベーカリーや精米機など、毎日使わないけれど場所を取る家電をパントリー内で使えるようにします。
  • セカンド冷凍庫 :最近人気の「冷凍庫」を置くためのスペースと専用コンセントを確保しておくと、将来的に便利です。

典型的な失敗:初心者がハマる落とし穴

  • 「床下収納をパントリー代わりに」
キッチンの床下収納に食品を入れる人がいますが、屈んで蓋を開けるのが面倒で、結局使わなくなります。床下は湿気も多いため、食品保存には向きません。
  • 「窓をつけて失敗」
「換気のために」と窓をつけることがありますが、西日が当たって食品が温まったり、紫外線でパッケージが劣化したりします。パントリーは基本的に「冷暗所」であるべきです。換気は換気扇で行いましょう。

最短の手順:後悔しないためのロードマップ

  1. 収納用品を決める 棚を作る前に、「無印良品のファイルボックス(奥行き32cm)」や「ニトリのインボックス」など、使いたい収納ケースを決めます。そのサイズに合わせて棚の奥行きを設計します。
  2. 可動棚(ガチャ柱)にする 置くものの高さは変わります。固定棚ではなく、1cm単位で高さを変えられる可動棚レールを採用してください。
  3. 換気計画 食品の匂いがこもらないよう、扉をつけるなら上下をカットして通気を確保するか、小型の換気扇を設置します。

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