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ペット共生住宅|「ペットのための家」は「人間が住みにくい家」になりがち

Tue Dec 23 2025 00:00:00 GMT+0000 (Coordinated Universal Time)

ペット共生住宅は「過保護」になりすぎると資産価値が下がる。

「猫が喜ぶキャットウォークを張り巡らせたい」「リビングから直接出られるドッグランを作りたい」。 ペットは家族ですから、彼らのために家を建てたいと思うのは自然です。しかし、やりすぎは禁物です。

結論:壁中に固定されたキャットステップや、部屋の真ん中のトイレスペースなどは、将来家を売る時に「特殊な家」として敬遠される要因になる。あくまで「人間が快適に暮らせる」ベースの上に、可変性のあるペット用品を加えるべき。「滑らない床」と「脱走防止」だけで十分効果はある。

ペットの寿命は15年〜20年です。悲しいですが、ペットがいなくなった後も、人間はその家で何十年も暮らします。その時に「無用の長物」に囲まれて暮らすのは辛いものです。


判断基準:それは「ペット」のためか、「飼い主の自己満足」か?

1. 床材の選択:最優先事項

ペットにとって最大の敵は「滑るフローリング」です。犬も猫も、ツルツル滑る床は関節(パテラ、ヘルニア)を痛めます。

  • ペット対応フローリング :表面に防滑加工がされたもの。
  • クッションフロア(CF) :柔らかく、水に強いので粗相しても掃除が楽。
  • タイルカーペット :汚れた部分だけ洗えるので実用的。 これらは人間にとっても歩きやすく、メンテナンス性が高いので、積極的に採用すべきです。

2. 臭いと温度管理

  • 換気システム :トイレスペースの近くに「局所換気扇(ナノイー脱臭機など)」を設置し、臭いを部屋に広げない工夫が必要です。
  • 24時間空調 :犬や猫は体温調節が苦手です。留守番中の熱中症を防ぐため、全館空調や、スマホで操作できるエアコン環境(スマートリモコン)が必須です。

3. 脱走防止:命を守る

玄関を開けた瞬間の飛び出し事故は非常に多いです。 玄関ホールには必ず「ペットゲート」や「二重扉」を設けます。また、網戸も爪で破られない「ステンレス製」などの丈夫なものにします。これはデザイン云々ではなく、安全対策として必須です。


典型的な失敗:初心者がハマる落とし穴

「使わないキャットウォーク」

大工さんに頼んで、壁や天井に立派なキャットウォークを造作したのに、猫が全く登らない。 猫は気まぐれです。また、老描になると高いところに登れなくなります。 固定式の造作よりも、後から配置を変えられる「キャットタワー」や「キャットステップ(家具)」の方が、成長や老化に合わせて調整できるので便利です。

「庭の天然芝ドッグラン」

「犬のために天然芝を」と憧れますが、オシッコで芝が枯れ、変色します。また、穴を掘られてボコボコになり、雑草も生えます。 維持管理に疲れて、結局荒れ放題になるケースが多いです。初期費用はかかりますが、ペット対応の「人工芝」の方が、掃除も楽で一年中緑を楽しめます。


最短の手順:後悔しないためのロードマップ

1. ゾーニング(居場所の区分け)

「ペットが入っていい場所(リビング、廊下)」と「ダメな場所(キッチン、寝室、浴室)」を明確に分けます。 キッチンは誤食や火傷の危険があるため、必ずゲートや扉で仕切れるようにします。

2. 足洗い場の設置

犬を飼うなら、散歩から帰ってすぐに足を洗える「立水栓」や「土間スペース」を玄関の外、または中に配置します。 お湯が出るようにしておくと、冬場の散歩後も快適です。

3. コンセント位置の調整

コードをかじって感電するのを防ぐため、コンセントを床から少し高い位置(30〜40cm)に設置する「ハイコンセント」を検討します。 腰への負担も減り、人間にとっても使いやすくなります。


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