レンジフード|「お掃除機能付き」は幻想。油汚れからは誰も逃げられない
Tue Dec 23 2025 00:00:00 GMT+0000 (Coordinated Universal Time)
レンジフードは「油を集める機械」である。
「10年間ファン掃除不要」「自動洗浄機能付き」。 最新のレンジフードのカタログには、まるで夢のような言葉が並んでいます。しかし、物理的に考えてみてください。料理で発生した油煙はどこへ行くのでしょうか?消滅するわけではありません。機械の中のどこかに溜まり、ドロドロの液体となって留まるのです。
結論:「掃除不要」を信じるな。ファンは汚れなくても、その手前の部品(整流板・オイルスマッシャー)は結局掃除が必要になる。掃除のしやすさは「分解の簡単さ」で選べ。
高機能なレンジフードほど、内部構造が複雑怪奇です。自動洗浄機能が壊れたら、修理費は高額になります。結局のところ、シンプルな構造で、誰でも簡単にバラして洗えるものが最強です。
判断基準:その「高機能」は掃除の手間を本当に減らすか?
1. 掃除のしやすさ:洗う場所が変わるだけ
- フィルターレス :面倒な金網フィルターがない代わりに、整流板(フタ)やオイルトレーに油が溜まります。これらは面積が広く、食洗機に入らないことが多いです。しかも、塗装が剥げるため食洗機NGのパーツも多いです。
- ワンタッチ着脱 :工具を使わずに、ボタン一つでシロッコファンまで外せるモデル(アリアフィーナや富士工業の一部)を選んでください。ネジを回さないと外れないタイプは、億劫になって掃除しなくなります。
2. 給気不足問題(高気密住宅の罠)
最近の気密性の高い家(C値1.0以下)で強力な換気扇を「強」で回すと、家の中の空気が足りなくなり(負圧)、以下の現象が起きます。
- 玄関ドアが重くて開かない。
- エアコンのドレンホースから「ポコポコ」という音が逆流してくる。
- トイレの臭いが逆流する。
対策として、排気した分だけ給気する「同時給排気型」のレンジフードを選ぶか、レンジフード連動の差圧給気口を設置することが必須です。
3. 設置高さと位置
- 頭をぶつける :デザイン優先で低く設置すると、背の高い家族が調理中に角に頭をぶつけます。
- 消防法の制限 :コンロからフードまでの高さは消防法(80cm以上など)で決まっています。低すぎると違法、高すぎると吸いません。
典型的な失敗:初心者がハマる落とし穴
- 「色が合わない」
キッチンの扉カラーと合わせたつもりが、レンジフードの塗装の質感だけ微妙に違って浮いて見える。迷ったら、あえて違う色(シルバーやブラック)を選ぶのも手です。
- 「うるさい」
リビング一体型LDKの場合、換気扇の音がうるさくて、料理中にテレビの音が聞こえなくなります。「弱」や「常時換気」モードでも静かなDCモーター搭載機種を選んでください。
最短の手順:後悔しないためのロードマップ
- 実機で分解体験 ショールームに行き、カタログを見るだけでなく、「ファンを外すところまでやらせてください」と頼んでください。その工程が面倒なら、その機種はやめるべきです。
- 同時給排気の確認 高気密住宅を建てるなら、工務店に「同時給排気型のレンジフードになっていますか?」と確認してください。オプション費用がかかっても入れる価値があります。
- 食洗機対応チェック 「シロッコファンやオイルトレーは食洗機で洗えますか?」と聞いてください。多くのメーカーは「手洗い推奨(塗装剥がれのため)」と答えますが、親水性塗装などで食洗機OKなモデルも存在します。