スタンディングデスク(昇降デスク)|「立つ」ことより「座る高さ」に価値がある
2025-12-24 14:15
スタンディングデスクの真価は「立つこと」ではない。
結論: 「座った時のベストな高さをミリ単位で調整できること」 にある。身長170cm以下の人が「最低高さ70cm」のモデルを買うと、肩こりが悪化して失敗する。
「座りすぎは喫煙と同じくらい健康に悪い」という言葉に脅され、スタンディングデスク(昇降デスク)の導入を検討している人は多いでしょう。しかし、実際に購入した人の多くは「最初は立っていたが、1ヶ月後には普通のデスクとして座って使っている」という現実に直面します。では、昇降デスクは無駄なのでしょうか? いいえ、違います。真のメリットは、市販の固定式デスク(高さ70cm〜72cm)では高すぎて合わない小柄な日本人が、自分にぴったりの高さ(60〜65cm)で座れる点にあります。
判断基準:あなたのデスク選びは「身長」と「継続性」を考慮しているか?
昇降デスクがあなたの生産性を上げるか、ただの重い机になるかは、最低高さのスペック選びにかかっています。
0. まず "最低高さ" を確認したか
デスクの高さは、靴を履いた欧米人の規格(70cm以上)で作られていることが多いです。
- 70cmの壁 :多くの安価な昇降デスクは、昇降範囲が「71cm〜120cm」などとなっています。しかし、書き仕事やキーボード入力に適した高さは、身長170cmの人でも約67cm、160cmの人なら約61cmです(差尺計算による)。
- 60cm台必須 :身長170cm以下の人が71cmのデスクを使うと、肩が上がり、肩こりや頭痛の原因になります。必ず「最低60cm〜65cm」まで下がるモデル(3段ピラー脚など)を選びましょう。
1. 継続性 の壁(立つか座るか)
「立って仕事をする」のは意外と疲れます。
- 1日何分立つ? :人間の集中力は立ちっぱなしでは続きません。現実的な運用は「眠くなった時の気分転換に15分立つ」程度です。
- 電動メモリ機能 :手動ハンドル式は絶対にやめましょう。回すのが面倒で、100%昇降しなくなります。ボタン一つで登録した「立つ高さ」と「座る高さ」に自動で動く「電動メモリ機能」が必須です。
2. 配線管理 (ケーブルマネジメント)
デスクが上下に動くということは、ケーブルも一緒に動くということです。
- ケーブルの長さ :デスクを一番高く上げた時、PC本体(床置きの場合)やコンセントまでのケーブル長が足りていますか? 余裕を持たせないと、昇降した瞬間にケーブルが突っ張って機材が落下したり、ポートが破損したりします。
- ダラリ問題 :ケーブルを壁に固定できないため、配線がダラリと垂れ下がって見栄えが悪くなりがちです。天板裏にケーブルトレーを取り付け、余った配線をまとめて収納する工夫が必要です。
3. 失敗パターンを先に潰せているか
- 「揺れる」 :スタンディング状態(高さ100cm以上)にすると、構造上どうしても揺れやすくなります。安価なモデルや脚が細いモデルは、キーボードを打つたびにモニターがグラグラ揺れて、画面酔いします。
- 「重すぎて組立不能」 :昇降デスクの脚パーツはモーターが入っているため非常に重く、30kgを超えます。一人で組み立てて、ひっくり返して設置するのは腰を痛めるリスクがあります。必ず2人以上で作業するか、広めのスペースを確保しましょう。
- 「天板がダサい」 :メーカー純正のセット天板は、メラミン化粧板の安っぽいものが多いです。こだわりたい人は「脚」だけを購入し、天板はホームセンターの木材や「かなでもの」などのオーダー天板をDIYで取り付けるのが賢い方法です。
最短の手順:後悔しないためのロードマップ
- 理想の高さ計測 :今の椅子の高さを自分に合わせて調整し、リラックスして肘を90度に曲げた時の「手の高さ」をメジャーで測ります。これがあなたにとっての「座りの理想高さ」です。
- スペック確認 :購入候補のデスクの「昇降範囲」を見て、最低高さが理想高さ以下になっているか確認します。
- 長いケーブルの準備 :PC、モニター、電源タップなどのケーブルを長め(3mなど)のものに買い替えておきます。
ページ内で扱う基礎情報(判断に必要な最小限)
ブランド・モデル比較
- FlexiSpot(フレキシスポット) :昇降デスクの代名詞。
- **E7 / E8** :デュアルモーターで昇降範囲が広く(58cm〜)、安定性が高いおすすめモデル。
- **E3 / E5** :旧モデルや廉価版は最低高さが高い場合があるので注意。
- IKEA :安価ですが、手動モデルや安定性の低いモデルも混在しています。最低高さをよく確認しましょう。
- 手動式 :安価ですが、実用性は低いです。
末尾:リンク集(出典+事例)
1. 商品
- FlexiSpot 公式サイト:詳細なスペック比較表あり。
- かなでもの(THE BOARD):サイズオーダーできる天板。
2. DIY・配線(リアルな情報)
- YouTube:「昇降デスク 配線整理」(神テクニックの宝庫)
- ブログ:「FlexiSpot 組み立て 一人」(組み立ての苦労とコツ)