シンボルツリー|「記念樹」が「モンスター」になり家を飲み込む
Tue Dec 23 2025 00:00:00 GMT+0000 (Coordinated Universal Time)
シンボルツリーは「植物」ではない。「生き物」であり「家族」である。
「新築記念に木を植えよう」。家の外観を彩るシンボルツリー。 しかし、園芸店で可愛らしい苗木を買ってきて植えた数年後、それが家の屋根を超える巨木になり、手に負えなくなるケースが多発しています。
結論:安易に「シマトネリコ」や「ユーカリ」を植えてはいけない。成長速度が凄まじく、数年で2階の屋根を超え、配管を根で破壊する。植えるなら、成長が遅い「アオダモ」「ソヨゴ」などの雑木系か、鉢植えで管理する。ズボラな人は最初から植えないのが正解。
判断基準:あなたは「年に2回の剪定」ができるか?
1. 樹種の選択:運命の分かれ道
- 危険な木(モンスター級) :シマトネリコ、ユーカリ、ミモザ、コニファー(ゴールドクレスト)。これらは成長速度が異常に早いです。1年で1m以上伸びます。素人の剪定では追いつかず、あっという間に電線に届きます。
- おすすめの木(管理しやすい) :アオダモ(涼しげで成長が遅い)、ジューンベリー(花も実も紅葉も楽しめる)、ソヨゴ(常緑で成長が遅い)。
2. 植える場所:根の被害
木は地上だけでなく、地下でも根を広げます。 水道管、排水マス、基礎の近くに植えると、太くなった根が配管を圧迫して割ったり、コンクリートを持ち上げたりします。 建物や配管から少なくとも 1m以上離して 植える必要があります。
3. 隣家トラブル
枝が隣の敷地に入り込む(越境)、落ち葉が隣のカーポートに積もる、毛虫が隣の洗濯物につく。 これらはご近所トラブルの定番です。境界線ギリギリに植えるのはマナー違反です。
典型的な失敗:初心者がハマる落とし穴
「最初から大きい木を買う」
見栄えを気にして、最初から2m超えの立派な木を植えたがります。 しかし、大きな木は根付くのが難しく、環境の変化で枯れやすいです。また、価格も高いです。 小さく(1mくらい)植えて、その土地の環境に合わせて大きく育てる方が、丈夫に育ちます。
「ライトアップなし」
昼間は綺麗でも、夜になると真っ暗で何も見えません。 木の下から「アッパーライト」で照らすと、木の影が外壁に映り込み、高級旅館のような雰囲気になります。 これは数千円のソーラーライトでも試せますが、できれば電源式の照明を計画しておくと良いです。
最短の手順:後悔しないためのロードマップ
1. 常緑か落葉か
- 常緑樹 :一年中緑があり、目隠しになる。冬も寂しくない。落ち葉掃除が楽(春に生え変わる時は落ちる)。
- 落葉樹 :春の新緑、秋の紅葉、冬の樹形と四季を感じられる。冬は葉が落ちるので日当たりが良くなる。落ち葉掃除は大変。 まず、このどちらが良いかを決めます。
2. 成長速度の検索
候補の木が見つかったら、必ずスマホで「〇〇(樹種名) 成長速度」と検索してください。 「早い」「旺盛」と書かれていたら、覚悟が必要です。
3. 鉢植えスタート
地面に植えてしまうと、移動も撤去も大変です。 最初は「不織布ポット(ルーツポーチ)」などの大きな鉢で育ててみるのがおすすめです。 これなら場所も変えられますし、成長も制限されます。自信がついたら地植えすれば良いのです。
リンク集
LOVEGREEN(植物の育て方)
植物ごとの育て方、特徴、注意点が詳しく載っている図鑑サイト。GreenSnap
植物好きのSNS。実際の家の庭に植えられている様子(サイズ感)がわかる。