タッチレス水栓のメリット・デメリット|「便利さ」の裏にある停電リスクと誤作動
2025-12-25 13:45
「ハンバーグをこねた手で蛇口を触りたくない」 「洗剤のついた手でレバーを操作すると、水栓が泡だらけになる」
そんなキッチンのストレスを一発で解消する 「タッチレス水栓(センサー水栓)」。 新築やリフォームでの採用率は急増しており、一度使うと手動には戻れないという人も多い「神設備」です。
しかし、電気仕掛けの機械である以上、「停電」「電池切れ」「故障」 というリスクがつきまといます。 この記事では、タッチレス水栓の導入前に知っておくべきリスクと、後悔しない機種選びについて解説します。
結論:衛生と掃除のための「課金アイテム」
まず結論です。 タッチレス水栓最大のメリットは、節水ではありません。 「水栓の根元(レバー周り)が汚れない」 ことです。 濡れた手で触らないので、水垢がつかず、掃除の手間が激減します。 この「掃除の楽さ」と「衛生面」に数万円〜十万円の追加コストを払う価値は十分にあります。
ただし、「停電時の対応」 を知らないと、災害時に水が出せなくてパニックになります。
3大デメリットと対策
1. 停電で水が出ない
タッチレス水栓は電気で弁を開閉しています。当然、停電すると反応しません。 多くの機種には、シンクの下に 「手動弁」 が隠されており、これを操作すれば水は出ます。 しかし、停電して真っ暗な中、シンク下の荷物をどかして奥にある弁を探すのは困難です。
- 対策:LIXIL「ナビッシュ」の一部機種など、手元の操作だけで手動切り替えができるモデルを選ぶか、手動弁の位置を必ず確認しておく。
2. 意図しない「誤作動」
「お湯を切ろうとしたらセンサーが反応して水がかかった」 「猫がカウンターに登って水を出していた」 センサーの感度が良すぎると、こうした事故が起きます。 逆に感度が悪いと、手をかざしても出なくてイライラします。
- 対策:ショールームで実機を触り、センサーの反応範囲と速度を確認する。猫がいる家は「センサーロック機能」がある機種を選ぶ。
3. 温度・水量は「手動」
タッチレスでできるのは、基本的に「吐水のON/OFF」だけです。 「お湯にする」「水量を弱める」といった操作は、結局本体のレバーやボタンを触る必要があります。
- 対策:これは仕様と割り切るしかありません。頻繁に温度を変える人は、逆に不便に感じるかもしれません。
電源工事は必要?
タッチレス水栓には2つのタイプがあります。
- 電源式(100V):シンク下にコンセントが必要。電池切れの心配がない。新築ならこちらがおすすめ。
- 電池式:乾電池で動く。電気工事不要なので後付けリフォーム向き。ただし年1回程度の電池交換が必要。
新築なのに設計ミスでシンク下にコンセントがなく、泣く泣く電池式にするケースがあります。必ず電気図面を確認してください。
導入へのチェックリスト
- 電源:シンクの下にコンセントはありますか?(食洗機用とは別に必要です)
- 猫:キッチンカウンターに登るペットはいませんか?(水浸しの惨事になります)
- 浄水器:浄水器一体型にしますか? ビルトイン浄水器を別でつけますか?(一体型はカートリッジ交換が楽ですが、ランニングコストが高めです)
リンク集:判断のための材料
1. 主要メーカー
- LIXIL ナビッシュ:タッチレス水栓の代名詞。デザインと機能のバランスが良い。
- Panasonic スリムセンサー水栓:上部センサーで誤作動が少ない設計。
- KVK:コスパに優れたセンサー水栓を展開。
2. トラブル解決
- 動画:ナビッシュ 停電 対応:いざという時の手動操作方法を見ておく。