床下収納|キッチンの「落とし穴」。踏むたびにガタつく不快感
2025-12-25 14:43
床下収納は「点検口」のおまけに過ぎない。
「収納は少しでも多いほうがいい」。 その心理につけこんで、建売住宅や注文住宅の標準仕様として提案される床下収納。しかし、あれは本来「収納」ではありません。家の基礎や配管をチェックするための「床下点検口」であり、ついでにカゴを入れて収納っぽく見せているだけです。
結論:収納として期待してはいけない。キッチンの流し台の前や、洗面所の入り口など、 「よく踏む場所」 に設置すると、枠の段差とガタつきで一生ストレスを感じることになる。
床下収納のフタ(枠)は、金属や樹脂でできており、フローリング面よりわずかに出っ張っています。料理中や移動中にそこを踏むと、足裏に硬い感触があり、冬は冷たく、経年劣化で「ミシッ」と音がするようになります。
判断基準:その「フタ」をどこに置くか真剣に考えたか?
1. 設置場所:動線上は絶対NG
- 最悪の場所 :キッチンのコンロやシンクの真ん前(一番長く立つ場所)、洗面台の前、脱衣所の真ん中。これらは絶対に避けてください。
- 正解の場所 :パントリーの中、階段下収納の中、押し入れの中、ウォークインクローゼットの端。つまり「普段人が歩かない場所」に隠すのが鉄則です。
2. 収納環境:カビと出し入れの難易度
- 湿気 :基礎断熱(基礎のコンクリートを断熱する方法)でない限り、床下は外気と同じ湿度です。非常に湿気が多く、カビが生えやすい環境です。食品(特に小麦粉などの粉物や乾物)を置くのは危険です。未開封の缶ビール、洗剤のボトル、防災用の水などが限界です。
- 姿勢 :しゃがみ込んで重いフタを開け、さらに下のカゴから重いものを取り出す。この動作は腰への負担が大きく、年を取ると使わなくなります。
3. フタの仕様:断熱材はあるか
- 断熱気密型 :必ず「高気密高断熱型」の点検口を選んでください。安いタイプだと、フタに断熱材がついておらず、そこから床下の冷気が入り込み、冬場の底冷えの原因(ヒートブリッジ)になります。
典型的な失敗:初心者がハマる落とし穴
- 「フタが重すぎる」
見栄えを良くしようと、フタに無垢フローリングや厚みのあるタイルを貼ると、フタ自体が非常に重くなり、女性の力では開けられなくなります。結果、開かずの間になります。
- 「掃除機が引っかかる」
お掃除ロボット(ルンバなど)が枠の段差を乗り越えられずにエラーを起こしたり、掃除機のヘッドが引っかかってイライラしたりします。
最短の手順:後悔しないためのロードマップ
- 図面チェック 点検口のマーク(□に×など)を探し、それがキッチンの作業スペースや通路に来ていないか確認します。もし来ていたら、端(壁際)や収納の中に移動させます。
- スライド式の不採用 床下でカゴをスライドさせて収納量を増やすタイプがありますが、レールにゴミが溜まりやすく、カゴが外れて奥にいってしまうと取り出せなくなります。シンプルな1個タイプが無難です。
- 断熱材の確認 工務店に「点検口のフタには断熱材が入っていますか?気密性は確保されていますか?」と確認します。