壁掛けテレビ|「スッキリ」の裏にある「配線地獄」と「買い替えの壁」
2025-12-25 14:43
壁掛けテレビは「一度つけたら動かせない」墓標である。
テレビボードがなくなり、リビングが広くなる。まるで絵画のようにテレビが壁に浮かぶ。壁掛けテレビはモダンなインテリアの象徴です。地震で倒れる心配がないという防災上のメリットもあります。
しかし、その美しさを実現するには、壁の裏側に完璧な「計算」が必要です。計算を間違えれば、壁から黒いケーブルがダラリと垂れ下がり、レコーダーの置き場に困り、テレビを買い替えるたびに壁に穴を開け直すことになります。
結論:下地と配管(空配管)の計画を完璧にしないと失敗する。テレビのサイズアップや高さ変更が容易ではないため、10年後のライフスタイル変化に対応できないリスクがある。
「とりあえず壁掛けできるように下地だけ入れておいて」では不十分です。どの金具を使い、どこにコンセントを配置し、どこへケーブルを通すか。ミリ単位の設計が求められます。
判断基準:その壁の中に「未来のケーブル」を通す道はあるか?
1. 配管計画(隠蔽配線)
ケーブルが見えないのが壁掛けの命です。
- 空配管(CD管) :テレビの背面から、周辺機器(レコーダーやゲーム機)を置く場所まで、壁の中にパイプ(空配管)を通す必要があります。
- 太さ :HDMIケーブルのコネクタは意外と大きいです。内径22mm程度の細い管では通りません。最低でも内径28mm、できれば36mm以上の太い管を入れてください。
2. 周辺機器の居場所
テレビは壁に掛かりましたが、ブルーレイレコーダー、Nintendo Switch、Apple TV、外付けHDDはどこに置きますか?
- テレビボードを置く :結局下にテレビボードを置くなら、壁掛けにするメリット(省スペース)が半減します。
- 離れた収納へ :壁内配管を通して、離れたクローゼットや収納内に機器を隠すのがスマートですが、リモコンの電波が届くか(赤外線リピーターが必要か)の確認が必要です。
3. 高さの決定
一度穴を開けて固定すると、高さ変更は大工事(壁紙の張り替え含む)になります。
- 視聴スタイル :ソファに座って見るのか、ダイニングチェアから見るのか、床に寝転がって見るのか。それぞれの目線の高さに合わせて最適な位置を決めなければなりません。一般的に、見上げる姿勢は首が疲れます。少し低めが安全です。
典型的な失敗:初心者がハマる落とし穴
- 「コンセントが見える」
テレビの真裏にコンセントを作ったつもりが、壁掛け金具のフレームと干渉してしまい、コンセントが使えない、またはテレビからはみ出して見えてしまう。金具の図面とコンセント位置の重ね合わせ確認が必須です。
- 「金具が合わない」
将来、55インチから75インチに買い替えようとしたら、今の金具では耐荷重が足りず、金具ごと交換することに。すると、前のネジ穴が壁に残ってしまう。
最短の手順:後悔しないためのロードマップ
- 実寸シミュレーション マスキングテープを壁に貼り、実際にソファに座って目線の高さを確認します。「中心の高さ」を床から何センチにするか決めます。
- 金具の選定 上下左右に角度調整ができる「アーム式」か、壁にピタッとつく「スリム式」か。将来の買い替えも考慮して、対応インチ数が幅広い(例:40〜80インチ対応)汎用金具を選びます。メーカー純正金具は高い上に汎用性がないので避けます。
- 先行配管の太さ指定 工務店に「HDMIケーブルが通る太さ(内径28mm以上)の空配管を入れてください」と具体的に指示します。